
伝統を守りながら、「ブランニュー﨔」としての
新しさを創り出していく
INTERVIEW
料理人としてのキャリアと、太田政宏シェフとの出会い
料理の道へ進むため酒田から上京し、フレンチレストランで働き始めたことが料理人としてのキャリアのスタートでした。東京で修業を積んだ後、酒田に戻りフランス料理の技術を磨きました。太田政宏シェフとご一緒させていただいたのは、かつてマリーン5清水屋にあった「レストラン ロアジス」の立ち上げがきっかけです。太田シェフの料理を一言で表すなら、「優しい味」だと思います。新鮮な魚を丁寧に捌き、さっと火を入れ、繊細で軽やかなソースを合わせる。
シンプルな料理でありながら豊かな香りがあり、一口食べると驚くほど深い美味しさを感じます。私自身、以前はつい「あれもこれも」と味を加えてしまうことがありました。しかし、素材本来の持ち味を最大限に引き出す太田シェフの料理に触れ、これこそが酒田フレンチの真髄なのだと深い感銘を受けました。
「﨔」という名前と、込められた想いを受け継いでいく
太田シェフは、料理と同じように、とても温かく優しい人柄で、「みんなでフランス料理を通じて地域を盛り上げていこう」という思いを強く持っておられました。料理だけでなく、その人柄や姿勢から受けた影響も計り知れません。今回、「レストラン﨔」復活のお話をいただいた際には、「『﨔』という名前が残るのであれば、ぜひやらせていただきたい」とお答えしました。
「﨔」という名前には、創業者である佐藤久一氏の「地元に根を張り、大きく育っていく店でありたい」という思いが込められていると伺っています。佐藤久一氏と太田政宏シェフが築き上げてきた酒田フレンチの味を、私なりの形で未来へ受け継いでいくことが、せめてもの恩返しになればと思っています。
自分自身の「酒田フレンチ」も追求したい
「ブランニュー﨔」では、「ガサエビのマリニエール」をはじめ、「レストラン﨔」で長年親しまれてきた味を受け継いだ料理も提供しています。当時の味をご存じのお客様にも、懐かしさとともにお楽しみいただけると思います。一方で、伝統を守るだけではなく、私自身の「酒田フレンチ」を追求していきたいという思いもあります。
太田シェフからは、「庄内の豊かな食材を使い、枠にとらわれず、自分が美味しいと思う料理を作り続ければ、それが自分のスペシャリテになる」と教えていただきました。その言葉を大切に、伝統を受け継ぎながら新しい感性も加え、「ブランニュー﨔」ならではの料理を生み出していきたいと思っています。
地域の皆さまに愛されるお店を目指して
酒田フレンチにとって何より大切なのは、この土地ならではの新鮮で豊かな食材です。ここ庄内地区は海と山が身近にあり、新鮮な魚介類をはじめ、季節ごとの海の幸や山の幸、豚肉や鴨肉など、質の高い食材に恵まれています。フランス料理を通じて、お客様に庄内地区の豊かな自然や食の魅力を感じていただけたら嬉しいですね。
かつて「レストラン﨔」は、全国から食通や観光客が訪れる一方で、地域の皆さまにとっては、家族の記念日や大切な人との食事を楽しむ身近な場所でもありました。「ブランニュー﨔」も、多くのお客様にお越しいただきながら、単に有名な店を目指すのではなく、地域に根を張り、皆さまに長く愛され続けるお店でありたいと思っています。
※ 「庄内地区」 山形県西北部、日本海に広がるエリア。鶴岡市、酒田市、三川町、遊佐町、庄内町の2市3町。
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